前回からのつづき)

淀川テクニックが展覧会参加中の鞆の津ミュージアムのある福山を後にし、岡山のホテルに1泊。

★駅前から路面電車に乗り、行くチャンスを逃し続けていた某ギャラリーを突撃訪問。オーナーは私にとってのNYの父と母!ノーアポで行ったにも関わらずラッキーな事におふたりが揃っていらした。

★ドアの内側はおふたりのNYのお宅そのもの!飾られている作品はもちろんのこと、花瓶にいけられているお花、扇風機、トイレの床のタイル、フライパンに至るまでそこかしこにあるすべてにおふたりのセンスが表れていている。

★10年以上前、NYでのアート修行の最初の数日、おふたりのお宅に泊めて頂いた。いきなりChristiesとSotheby'sの分厚いカタログをポーンと渡され「この作品写真を見ただけで全部の作家が言えるようにならないとだめだよ!」とNYの父。その言葉の通り、ミュージアムに通うたびに、まずはキャプションを見ずに作品の前にたち、クイズのように作者を頭の中で唱えてから作品を見るようになった。その時のカタログは今でも宝物のように私の本棚の中に並んでいる。

★さらに衝撃的だったのは「ゆかり、アートをやりたかったらロンドンへ行かないとだめだよ!起源に戻らなきゃ。」えっ、私、せっかく今日NYに着いたばっかりなんですけど。。。(ーー;)

★その後911もあり、結局私はNYの父の助言(予言!?)どおりロンドンへ向かうことになった。

★同じ英語圏なのに全然違うロンドンとNY。最初は馴染むのに苦労した。でも行ってみてNYの父が言っていた事の意味がよくわかった。勉強も天候もイギリス英語に慣れるのもハードだったけれど、困っちゃうくらいの珠玉の名作がそこら辺にいくらでも散らばっていて美術館は入場無料。パリだってローマだって飛行機に乗れば1時間ちょっと。常に本物を見て学んだ事が今の私の血肉となっている。

★NYの母はさっそうとお仕事に戻り、父が見送ってくれた。扉を出るとそこはマンハッタンではなく岡山県という摩訶不思議(笑)別れた後、実はNYを後にした時のようなちょっと寂しい気分になった。今では飛行機に12時間乗らずとも新幹線で3時間で会えるのに(笑)そのくらい私にとっては特別なおふたり。また色々と教えてください!

★再び岡山駅へと戻り、今度は直島へGO!在来線に1時間乗って終点の宇野港へ。そこでは以前に一緒に働いてくれていたかわいい私の妹分、Tと港に永久展示されている淀テクの巨大魚が待ってくれていた。

★Tは直島でアート関係の仕事をしている。NYの父母と同じく、こちらも突然訪問にも関わらずたまたまお休みの日で会うことができたラッキーな私。電話では話していたけれど本人に直接会うのは数年ぶり。すっかり立派な社会人女性になっていてうれしい!

★宇野港はお祭りだったらしく、カラフルなテントが並んでいた。見事にその場に同化している淀テクのチヌ。世界中どこへ行っても現地に馴染む淀テク淀テク作品。あれはひとつの才能!

★フェリーに乗って直島へ。風が気持ちいい。直島にはいしかわかずはるの作品が点在している。まだ見ていなかった新作も多数あり、すっかり島の人間になったTのアテンドのおかげでぱぱーっと全作品を見て回ることができた。里子に出した子供たちに再会できた気分。いしかわの作品も超がつくほど自然に島の風景に溶け込んでいた。

★帰りにはもう一度わざわざ直島からフェリーに乗って宇野港まで送ってくれたT。やっぱり別れる時はお名残惜しい。まだまだ話足りなかったけど、姉さんは遠くでいつでも応援しているぜ!つきあってくれてありがとう!

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