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先週スタートした3周年記念展。多くの方にお越し頂きうれしい限りです。やはり作品は見て頂かないと意味がないですから!今週も皆様のご来場をお待ちしております。

さて前回の大畑につづき、今展ふたり目の出品作家・高あみのご紹介です。

1982年生まれのは陶や石膏を使った立体作品を主に制作しています。日本で生まれ韓国籍をもつ自身のルーツや家族がモチーフとして登場することも多く、彼女が子供の頃から経験してきたことはまるでドラマかと思うようなものばかり。ここでは書き切れないのあえて省きます。

国籍の問題は現代アートに頻繁に登場し、重たいテーマとして扱われることも多いですが、の作品はパステル調で形もキュートなものが多く、いつもあっけらかんと明るい!そこが私が彼女を好きな点です。難しい問題を抱えて生きてきた彼女ですから暗いトーンの作品など簡単に制作できるでしょう。でも、重たいことを重たいまま表現するのであればドキュメンタリーの方が雄弁な事が多いと思うのです。国とか国籍とか、そんな問題を超えてもっと普遍的な「人間」の生き様を描こうとするのが高あみのスタイルです。


(お客様のSさんご提供の展示風景です。S様ありがとうございます!)

さて、以下は会場に貼ってあるのインタビュー記事からの抜粋です。(こちらはK様、記事のご提供ありがとうございます!)

─大学では塑造を専攻されていたそうですが、どんな学生だったのですか?
 
 「実は18歳の時は残念ながら有名な彫刻家の作品の良さなんて全くわからなくて、毎日の授業もさっぱりわからなくて…最初の頃は大学いつ辞めようかと考えていたんです(笑)。でも、皆に追いつきたいという思いで必死に勉強して、卒業までにはなんとか自分で人体彫刻がつくれるようになっていたとは思います。たぶん割と真面目で…。」

─それから大学院へ進み、修了してからはどういう生活をしていたのですか?
 
 「制作の意欲はいつもあったんですが、生きるための仕事をするのが精一杯で…。意欲はあっても、手も思考も止まっていた時期がありました。そういう時に切実と感じたのは、生きるってすばらしい…とかすごく漠然としている精神論みたいなやつで(笑)。今、楽しい事って無限にあるじゃないですか、私は服とかアクセサリーとかそういうものへの興味はわりと薄いんですが、同時に彫刻にも興味がなくなっていきましたね、哀しいことに。自分が欲しかった答えは、もっと人に寄り添ったモノであり、作品の良さがわからなかったあの頃の自分に、正直になればなるほど今まで勉強してきたものが遠ざかっていくのがわかりましたね。」

─ではもう彫刻には興味がないと?

 「いえいえ(笑)。そんな心境でも巨大な作品や、神業っていうか、きわきわでゴリゴリの彫刻をみせられたら、こりゃかなわんわ~ってなります。特に女の子で鉄とか石とかポリとか専門でやっている人にはかなり敬意を払っています。今の自分は絶対できないから。あと先生たちとか。」

─学生時代から現在までの制作と発表についていろいろ試行錯誤があったようですが、今の状況に関してはどうですか?
 
 「何も興味がなくなっていた頃に、じゃあどういう人のクリエイションに魅力を感じてきたかって考えたら「自由なことをやる人」に興味をそそられてきたんだってわかったんです。「マッス」も「素材との対話」も「立脚遊脚」も、正直関係ないんですよ、今の私って…。「見たこともないようなギターの弾き方で」「聞いたこともないような歌い方をしたい」(注1)と、私の大好きな甲本ヒロトの歌にあるんですけど、なんかそういうのと似ていて。でもそうなるには自由になることが必要不可欠で、恐ろしいことに子供と違って大体の大人にはその訓練が必要だと思うんです。だから、すごく普通の答えになってしまって恥ずかしいんですが、極力「心が自由でいること」とかを気にしています。私自身かなり反骨精神を持つ人間なんですが、結局私の作品って絶対最終的にはやさしくなっちゃうんです。だからもう何言われてもいいやって。やさしいって最高じゃんって(笑)。

─それでは最後に一言お願いします。
 
 「今まで私と、私の作品を支援して下さった人たちには、いつかとんでもない幸せが訪れてほしいと思っているんです、みんなとても素敵な人たちだから。そして昔も今もこれからも、私の活動を長い目でみて下さる方々にはもちろん感謝しかないんですよね…。作品で返せれば一番だけど、返したい人と自分とが生きているうちに実現できるかどうか、きちんと計画立ててやらないと…。私が一生バイトして稼ぐお金もとっても大事だけど、活躍することはもっと恩返しになると思うんですけどね。」

(注1)THE BLUE HEARTS僕の右手」より

皆様、新人の高あみを応援してくださいね!

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