かなり久々の更新になってしまいました。。。「ゴミとITとわたし」展はおかげさまで多くのメディアにカバーしていただき、今回は初めてギャラリーに来てくださるお客様がかなり多いのです。そんなこんなでうれしいバタバタの中、あっという間に2週間が過ぎてしまいました。
(展覧会DMにも使われている淀川テクニックの展示作品 ニワトリ・赤頭)
さて、本日は淀川テクニックをご紹介させていただきます。
淀川テクニックは柴田英昭と松永和也のふたりにより2003年に結成されたアートユニットで、落ちているゴミや漂流物を使い作品を制作しています。
これまでに多くの媒体でご紹介いただいた淀テクですが、作品の材料が「ゴミ」なので現代の世相を反映し「エコロジー」の方面から捉えられてしまうことも多く、過去にお断りした取材やお仕事もありました。もちろん淀テクは「エコ」的な活動が嫌な訳ではありません。ただ彼らは「エコロジー」をテーマにしている訳ではなく、「ゴミ」を素材に作品を制作しているだけなのです。淀テクと話しているといつも彼らの「ゴミ」に対する「愛」のようなものを感じます。ゴミの世界がいかに魅力的で奥深いか、本当にキラキラとした目(!)で語ってくれるのです。彼らの作品が見る者をひきつけるのは「ゴミ」を見事に操る造形力はもちろん、楽しく制作している姿が伝わってくるからなのかもしれません。
そんな淀テクを「エコ抜き」の視点から見事に語って下さる記事が1月18日の産経新聞に掲載されました。是非ご一読ください。私があらためてこの場で紹介する必要がないほど彼らの魅力を的確に伝えてくださっています。
産経新聞web版→2人組「淀川テクニック」のゴミアート、エコ抜きの美しさ
個人的に淀テクについて少し語らせて頂くと、私にとって淀テクと仕事をすることはいろんな意味で「夢」のようなものです。
東京の「夢の島」という場所が好きです。元はゴミの埋め立て場だった場所を公園にしたところで、あのエリアにギャラリーをつくろうと本気で物件を探した事もありました。ここを最初に知ったのは小学校の社会科見学の時だったでしょうか。「ゴミ」が「島」に変わったというまさに「夢」のようなお話にどうしようもない程のワクワク感を覚えました。淀テクの作品には何か同じ種類の興奮を覚えます。
また、はじめて彼らの作品を見たとき「このゴミで出来た世にも素晴らしい作品をオーソドックス(!?)な彫刻や絵画と並べて展示し、その他の作品と同じように価値をつけて販売してみたい。」と思いました。それが出来ないのであれば自分がギャラリーを持つ意味などないとも感じました。今でこそ当たり前に捉えられている淀テク作品ですが、私が彼らの作品を扱いはじめた当初は素材が「ゴミ」というだけでしかめっ面をなさるお客様もいらっしゃいました。通常の作品を買うよりも「ゴミ」で出来た作品にお金を払うことは勇気のいることです、だって「ゴミ」ですから!素材そのものには価値のない淀テクの作品を買うということは彼らのアイデアや労力、造形力といった形にならないものにお金を払うということです。不要物として処分されたゴミに新たな価値がつく、とても夢のあるお話だと私は思います。
是非みなさま、淀テクの世界を体感しにいらしてください。ご来場をお待ちしております!