どんよりした天気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
一昨日、久しぶりにTOD'S表参道ビルディングへ行って参りました。
建築家の伊藤豊雄さんによる建物です。TOD'Sがイタリア・ミラノのTeatro alla scala(スカラ座)の芸術活動支援をするスポンサーになったことをお祝いする会がありました。
実は意外に思われるかもしれませんが、私がパーティーに行くのはかなり珍しいことなんです。職業柄、ありがたいことに様々なところからお声をかけていただきますが、人が集まるところは得意じゃないのです。。。もちろん、一旦その場にお邪魔したらお招き下さった方に失礼のないようお外モード(!?)にシャキッと切り替えその場を楽しませて頂きますが!そんな風でよくギャラリーオーナーをやっているよなあと、、、自分でも思います(笑)
小さな娘がお留守番なので滞在時間は2、30分と短いものでしたが、そこかしこから聞こえてくるイタリア語とペントハウスに吹く夜風が心地良いほんの少しのイタリア旅行気分(!)でした。
さて、3周年記念展第一弾のプレスリリースをアップ致しました。
古き良きアメリカの名作映画「素晴らしき哉、人生。It's a wonderful life!」から恐れ多くもタイトルを拝借しております。
ツキに見放されながらも前向きに生きた主人公が、人生最大の窮地にぶちあたり絶望して命を絶とうとする。そこへ天使(!)が現れ、彼の人生がいかに素晴らしいものであったかを気づかせようとする、言わずとしれた名作です。
なんだかユカリアートの作家達に似ている気がするのです、彼らはいつも前向きかつ現在進行形で崖っぷちなので!(笑)
傑作なんて滅多に出るものではなく、作品なんてそう簡単に売れるものではありません。しかもユカリアートには一作一作の完成までに時間を要するタイプの作家ばかりが見事なほどに集まっているので作品の数がとても少ないのです。全作品を完売したって生活費と次の制作費を捻出するのがやっと、アートの世界では若手だけれど一歩世の中に出れば2、30代の社会の中核の彼らのほとんどが(日本の若手アーティストの多くが)未だにバイトや副業に明け暮れていたりします。
でも誰ひとりとして全く悲壮感を漂わせてはいません!
もちろん皆それぞれにもがき苦しんではいます。でも、より良い作品をつくりたい!もっと多くの人に見てもらいたい!というプラスの気持ちの方が圧倒的に強いのです。
しかもいつの間にやら結婚し子供まで生まれ、家族でアート状態になっている作家も何人かいたりして、本当にたくましい動物達です(笑)
彼らがいつか偉大なアーティストになるかどうかなんて全くわかりません。もちろん私はアーティスト達の未来を信じ、その作品が素晴らしいと感じているからこそギャラリーをやっています。でも本当の本当の評価は後世に決まること。後の時代になった時、私たちが死んだ後になっても作品が受け入れられ続けるかどうかです。
ではたった今作品を見てくださるcontemporary、同時代人のお客様に一体何を伝えられるのか?
彼らの前向きなエネルギー、まさにそれです!
ユカリアートの作家達は天使は登場せずとも(笑)みな元気です、崖っぷちでもこの大不況でも!作品の評価の仕方や趣味趣向は十人十色、皆様のお眼鏡にかなわない作品もあるかもしれません。でも皆様と今、同じ時を共有して生きる彼らの情熱に満ちあふれた姿とその作品から生まれるポジティブな衝動はきっと見てくださる方へと伝わっていくものと思います。
3周年展へのご来場を心よりお待ちしております!