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先日とびこんできた、アンパンマンの父・やなせたかしさん逝去のニュースはショックだった。面識もないし、子供の頃アンパンマンを見ていた訳でもないのだが、ものすごい喪失感を感じる。
「『僕の“最後のインタビュー”だよ』子供たちへ希望送り続けたやなせさん」

アンパンマンにふれるようになったのは自分の子供が生まれてからだ。
知れば知るほど深いその哲学。
絶対的な正義感。
テーマソング「アンパンマンのマーチ」を覚えたくて、わざわざ歌詞が書いてある絵本を買って子供に読んだ。
なにもを見ずに歌いたくて親の私が一生懸命練習した(笑)

「正義とはミサイルを放つことではなく、飢える子供たちを助けること」

なんて含蓄のある言葉だろう!
実際に兵士として戦地に赴いたやなせさんだから言えること。
「やなせたかし氏 兵隊時代の記憶が『絶対的な正義』に導いた」

経験は何物にも代え難い。
やなさせんに限らず、年寄りは国の宝だと我が祖母を見ていて思う。

たったひとり健在な祖母も90歳を越えて介護が必要になった。
若くて元気だったころ、祖母から戦争の話など一度も聞いたことはない。
ただ、戦争関連のドラマや映画は見たくないと言っていたのがなんとなく印象に残っていた。

そんな祖母が年を重ね、ごくたまにではあるが戦争時代の話をポツリとするようになった。
あまり多くを語らない祖母だが、若い頃の経験がどれほど大きいものか、その人の一生にどれだけ影響を及ぼすのか、身を持って感じるようになった。

より多くの時間を生き、より多くの経験している老人たちはみな生き字引。
生きているだけで国の宝、人間国宝みたいなものだ。

超少子高齢化社会の日本。
出産した時、子供が大切にされない世の中はどれだけ経済が発展していても決して豊かではないと感じた。
今は同じく、老人が大切にされない世の中も豊かではないと感じる。

やなせたかしさん。
この世の変遷を90年以上見続けた人、それも第一線で精力的にご活躍なさった方。
震災後の先生のインタビューには本当に勇気づけられた。
今の時代に絶対に必要な人、国の支えだったと思う。
「やなせたかし氏『日本人の正義とは困った人にパン差し出すこと』」

先生は旅立ってしまわれたが、私たちにはアンパンマンがいる!
「♪だから君はいくんだほほえんで♪」
今日から改めて、一日一日を大切に生きていきたいと思う。

やなせたかし先生、お元気で!
「アンパンマンから日本人へ『なんのために生まれて生きるのか』」

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