2010年に始めたコラージュ川柳の紹介です。
当時僕が中之島4117というアートインフォメーシ ョン&サポートセンター(現在は閉館)から依頼を受け、郵便受けを使った展示の際考案したチープな知的一人遊びです。
コラージュ川柳のルールは簡単で、新聞もしくは印刷物の五文字と七文字を切り抜き、五七五と別々に組み合わせることで 元の記事とは全く違う内容の川柳を作るというもので、字余りなどは元の川柳に準じます。
禁止事項は二文字+三文字や五文字+二文字など、一つの行の中での二つ以上のコラージュを使うこと、また「は」や「を」など接続詞も切り抜いて使いたくなりますが、そこをグッと我慢して あくまで五文字と七文字(もしくは字余り)のまとまった切り抜き3つで川柳を読むのがポイントです。
当時の展示風景
それからも時々ワークショップなども行っていたのですが、参加してくれた現場の人のウケの良さとは裏腹にイマイチ流行らず(笑)2015年に思い立って、非常勤講師をしている京都造形芸術大学のウルトラファクトリーの部活動として生徒たちと活動し始めてみました。
コラージュ川柳倶楽部で、生徒たちが作ったコラージュ川柳がこちら
コラージュ川柳俱楽部 部員作品
※面白いコラージュ川柳のコツ
その情景が目に浮かぶような内容にしたり
意味よりもリズムや韻を踏むのもありです
調べてみると1920年代にカットアップという手法でトリスタン・ツァラや1950年代にウィリアムズ・バローズが切り刻んだ文章を再構築する手法で作詞する表現方法を開発しているようですが、当時の僕はそんなことは露知らずアートから程遠い地方都市の河川敷で勝手に思いついていました、すみません(笑)
ただコラージュ川柳の面白いところは川柳を知っている人なら誰でも作品を作ることが出来る参加型作品という点です。
そして575の音節が通用するジャパニーズオンリー(笑)な作品なのですが、特徴として“出来上がった作品が何故か“特有のダサさがある”、という点もあげられます。
“ダサい論”を語り出すと長くなってしまうので(笑)また今度書かせて頂きますが、例えば電気グルーヴのオールナイトニッポンの平成新造語というコーナーで石野卓球さんが説明(リンクの91分辺り)されてるような「頭の中にビジュアルが浮かぶような配列」を心掛けたり、こちらも後で発見して、あ~なるほど!と思ったのですがサルでも描けるまんが教室(上)のLesson23.「ウケるロックまんがの可能性」で“五七調は日本民族共通のリズム”である、と説明されている様な“日本語でしか表現出来ないダサさ”がコラージュ川柳を思いついたバックボーンになっている様に感じています。
実は今年はコラージュ川柳俱楽部として何か新しいことが出来たらと企んでいるので、こうご期待ください!
淀テク 柴田