先日別府中央小学校でやった似てない似顔絵と飛ばない凧というワークショップマンデープロジェクトでやってきました。

そして若干パワーアップしています。

ところでワークショップばっかり紹介してますが(笑)、僕は勿論作品を作るアーティストです。ただマンデープロジェクトはオリジナルワークショップをいくつか行うことが出来るので、自分のアートの経験を振り返って、方法論や理論を整理することが出来て僕的にもとても刺激的です。

写真付きの具体的な内容はこちら

Sクラス 逆デッサン・飛ばない凧

今回は午前と午後で全く同じ生徒で320分!そして対象は大学一回生。
折角芸大なので似顔絵ではなくデッサン風でチャレンジしてみました。
「ぜーったい似せるな!!!」と言っていたのにそれでも、見たものを描いてしまう生徒や、逆に禅問答の様に深みにはまって点のみを描いた生徒などとてもバラエティがあって面白かったです。

そして今回新しく加えたミニWS「移動」
部屋の端から端までを毎回違う方法で移動を延々繰り返すというかなりストイックな(笑)内容でした。
ネタが無くなった生徒は歩かず見学していたのですが、中には人間の体は無限に動けるのに何で限界があるんだろう?という感想を持つ生徒もいました。

そして「飛ばない凧」
先日の小学生対象の時もそうだったのですが、「絶っっ対飛ばない凧をつくるんやで!!!!!」と言った時のクラスの静まり感が半端ないです(笑)
このワークショップをやって気付いたのですが、物事にはこうでなければならない、という重力が存在していて(凧の場合だといかに空高く上がるか?空高く上がるものだ、など?)。普通はその重力の中心に向かって活動していくのですが、あえてその重力から脱出し無重力になってみと、物凄いフワフワし始めて自ら何かしらの重力を作り出さなければならず今までになかった新しい価値観を作り出すトライアルだったように思います。
でも、もう少し深みにはまってみると、その元々ある重力とはいったいなんだろうか?とか、もしかしたらそれは自分自身がこれまでの生活で社会から植え付けられたもので、実際にその重力に逆らう時の抵抗と反発は覚悟しないとな~などと思いました。

そういえば最近FBでこんな記事みたのですが、個人的に「逆デッサン」と意外と共通してる?と思いました。

12時間円柱を描きつづけてはじめてわかったこと。「気づく」までにはたくさんの時間がかかるのに、みんな先に教わってしまうんだね。

僕自身アーティストでありながら淀川上がりなので(笑)デッサンはほぼやったことないのですが、この記事を読みながら二十歳くらいの時永井均さんの「〈子供〉のための哲学」という本を読んだのを思い出しました。
本の内容も勿論面白いのですが、たった一つの個人的興味にこだわってその疑問に対して誰にも教わらずそこまで素手で穴を掘り進めるんだ!という永井さんの姿勢が一番衝撃的で、難しい言葉を使わず純粋な問題に向き合う姿勢はとても影響を受けました。
いまだに僕にとってのアートはそうやって素手で掘り進める穴だと思っています。

勿論受験や上手に絵を描くためのデッサンも必要ですが、個人的には自分が今目の前の問題に対してどのように考えているか感じているかを緻密にデッサンするように表現したいです。

淀川テクニック 柴田

Pin It on Pinterest