おはようございます。
私事ですが今日は大学時代の友人の結婚式です。お馬鹿なことばかり共にした仲間たち(笑)に会えるのが今から楽しみです♪ 友人ご夫妻に永き幸あれ!
さて、10月17日のお話の続き。
ロンドンで修行中、共に学んだ友人は本当に国際色豊かでした。イギリス人はもちろん、フランス、ドイツ、イタリア等のヨーロッパ勢から中東出身の生徒、アメリカ人など。お教室の中ではこの私も同じように渡り合えていたはず!と勝手に思っています(笑)では実際の仕事の現場で仮にダ・ヴィンチの「岩窟の聖母 ”Virgin of the Rocks"」を販売(!)することになったとしましょう。目の前にイタリア人と日本人のアートディーラーがいます。あなたはどちらから買いたいですか?
私だったらイタリア人です(笑)、私はそう思ってしまった。だって日本育ちの私はダ・ヴィンチを教科書や美術館でしか知らないのです。確かにイタリア人だってそれは同じ、既に亡くなったルネサンス期の巨匠ですから。ただ彼らはダ・ヴィンチが生きたのと同じ風土に育っている、時代は違えど同じ気候、同じ太陽のもとで育ってきている。
自分には説得力がない、そう感じました。教会ではなく、神社・仏閣に囲まれて育った日本人ですから。「じゃあ私が地に足をつけて扱えるものって一体何なのよ?」と考えた時、「現代アートだ!」と思ったのです。現在の日本は良くも悪くも色々な意味で世界の最先端。東京のコンクリートジャングルで生まれ育った私が扱えるのは同時代人のアート、contemporary artしかないのではないかと。
現代アートと一口に言っても既に亡くなった巨匠もおられますし、存命中の作家でも年齢の幅は広いです。仕事をはじめた当初はかなり年の離れたアーティストの作品も扱わせて頂きました。以前ある作家さんと「モッズ」の話になった時、私が最初に思い浮かべたのは美容室のmod's hairで、その作家さんはカルチャームーブメントのMODのことを言っていた、という経験があります。。。メディアを通してしか知り得ない世界を目の前にいる作家さんがまるで昨日のことのように話してくださる、とても楽しかったですし、そのようにして多くのことを学ばせて頂きました。ただ同じ単語を聞いてヘアサロンを思い浮かべる自分が何とももどかしかった!
一方で多くの同世代のアーティストとの出会いもありました。たとえば村上隆さんプロデュースのアートの祭典GEISAIで会場をずらーっとまわってみる、気にいった作品をみつけるとファイルを見せてもらう・・・自分の琴線に触れる作品はおもしろい程に1970年代生まれの作家によるものでした。そしてお話しても「わかる、わかる!」という感覚が本当に心地よくて楽しかった。まさに「同世代感」です。「彼らの作品ならより説得力を持ってお客様に紹介できる、だったら同世代のアーティストをサポートするギャラリーをつくろう!」これがユカリアート・コンテンポラリーをはじめようと思ったきっかけでした。
そもそも私はアートに限らず、舞台を見にいっても映画を見ていても何かキラリとした才能をみつけると「うわぁぁぁぁ!」と血が騒ぎます(笑)これから成長していくものを見るのが大好きなのです!
ユカリアートのアーティストは日々進化しています。そしてギャラリーも一緒に成長しています。歩みは遅いかもしれない、でも決して退化することなく時の流れと共に前へ前へ進んでいけたらと願っています。