淀川テクニック柴田です。
2017年1月30日に別府中央小学校行ったワークショップの模様です。
淀川テクニックといえばゴミの作品!という印象があるのですが、実は京都造形芸術大学のマンデープロジェクトという授業で7年間ワークショップのFA(ファシリテータ)をしていたりします。
マンデープロジェクトではゴミを使ったワークショップも時々やるのですが、それ以上に僕自身がアートに目覚めるきっかけになった感情を呼び起こさせるような授業を大学一回生対象に前期の毎週月曜日に行っています。
ということで先日行ったワークショップのタイトルはタイトルはズバリ「似てない似顔絵」「飛ばない凧」!で内容もそのまま似てない似顔絵をみんなで描いて、飛ばない凧を作る、というもの(笑)
当たり前ですが、似顔絵は似せて描くもの、凧は上がってナンボのものです。しかし僕の活動している現代アートの現場ではただ単に絵がうまい人が評価されている訳ではありません。モノの見方、考え方、表現の仕方で見る人をアッと言わせるかどうかが現代アートの面白い!と思ってもらえる基準の一つです。
そのために時には物事の本来の目的を裏切って全く違う方向に思考をジャンプさせる勇気を持つことが、今までなかった新しい表現を生むきっかけになることもあり、そういう体験をしてほしくてこのワークショップを企画しました。
平たく言えば、普段のお手本通りにやりなさいという授業から、絶対にお手本通りにやるな!という少々強引に小学生の固定概念を引っ掻き回すようなワークショップです(笑)
なので、上手な似顔絵、よく上がる凧は一切出来上がってきません。その代わり写真では表現しきれないのですが生徒たちが動揺しながらも手探りで自分のボキャブラリーと感触を頼りに今までなかった奇妙な何かを作り上げていきます。
まず、午前中に5年生対象の「飛ばない凧」
最初に世界中の色々な凧の紹介
こんな面白い凧も
普通の和凧を作ることが出来る竹ひご、和紙、タコ糸を配ります。
生徒たちが「フムフム凧ってっこうやってつくるのね」と納得したところでスライド
生徒たちのポカーンとした反応にめげず(笑)どんどん進めます。
世界中に色々な形の凧があるのですが、凧は”飛ぶ”という指令に捕らわれ続けているせいでイマイチ自由になりきれてない、といったことをとくとくと説明します。
実は凧って江戸時代まではイカだったんだ、とか(笑)
「ということでスタート!とにかく飛ばない凧を作ってみましょう!」
最初はとにかく戸惑っていた生徒たちも和紙と竹ひごとタコ糸の新たな可能性を探り始めます。
印象的だったのは「次なにすればいいですか?」という質問
今回は明確な答えがあるワークショップでは無いので、次に何をするべきかは僕にもわかりません。
逆にスタートと言った途端にピーンと気が付く生徒もいて、上の紙飛行機を作った子がそう
約1時間制作して完成した飛ばない凧は、それでも手から離れる寸前までは全力で凧なので(笑)校庭に出て飛ばします。
生徒たちのやる気のエンジンがかかったのが制作時間の最後の辺りで今回は少し時間がたりなかったかな?という印象ですが、かなりエキサイティングな飛ばない凧が作れました!
続いて午後からは6年生対象の「似てない似顔絵」
授業の最初に「今日は似顔絵を描きます!」
と言うと、「え~~~!」というブーイングの大合唱(笑)
2人組になってもらいお互いに似顔絵を描くコンビになってもらいます。
そして自分達の知っている似顔絵を描くコツを聞いていきます。
・大きく描く
・カッコよく
・相手の特徴をよく見る
・モデルの人は動かない
・出来るだけ正確に描く
・リアルに
などいくつかの意見が出ました。
「これらの意見を踏まえて最後に僕からの注文が一つだけあります」
「絶対に似てないこと!」
ということで、こちらもかなりの動揺と何したら良いのか戸惑う生徒が続出
でもだんだんと独自の世界に入っていきます。
難しいのはただの落書きではなく、上記の
・大きく描く
・カッコよく
・相手の特徴をよく見る
・モデルの人は動かない
・出来るだけ正確に描く
・リアルに
という似顔絵を描くためのセオリーを忘れない事。
下の絵とかかなり独自路線いってます
生徒たちにとって目の前のモノを見ながら全く違うものを描くという行為は最初とても難しい作業でしたが、ノってくると自分の持っているボキャブラリーをフル活用して兎に角個性的な似顔絵が完成しました。
以上淀川テクニック柴田による「似てない似顔絵」「飛ばない凧」でした!
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