蒟蒻問答、過去作を順不同でふれていこうと思っています。
が前回、今回と結構初期の作品でいこうと思います。

作品No.4 「殺生2000」

昔、ビートたけしがやっていた「たけしの誰でもピカソ」という番組がありその番組に出した作品です。


殺生2000
2000年
鉄、ポリエステル樹脂、肉、木、フェイクファー
w3850mm h2200mm d800mm

大学三年の5月ごろだったかな。
いつもみたいに大学行って、学科を軽く受けて研究室に行ったら先輩が「吉田くんテレビ出る?あと2時間で決めて!」って言われて、なんだーと思ったら、テレビ東京でやってた「たけしの誰でもピカソ」っていう番組でアートバトルというコーナーがあって出演者を探しているとのこと。

アートバトルは作品を持ち寄って番組内でプレゼンして、審査員が点数を入れて勝負というそんな企画で、何週か勝ち抜くとチャンピオンになれるっていう仕組み。普段は応募作品でバトルをやっていたんだけど、今回は5美大対抗アートバトルという特番で多摩美代表を探しているということが判明。"代表ってなんかきちんと決めるものではないのか?"  "2時間って短くないか?"  いろいろ疑問はあったんだけど、きっと大人の事情だな、先輩に聞いてもあれだな、困らせるだけだなと思い、うーんって考えて、「なんか自分が出なくて他の人が出て、いいことになったりしたら、後悔するだろうな〜」と考えて1時間後くらいに、出ますって先輩に返事をした。答えの出し方が打算的でいいですね、昔の自分。

その時、大学の課題として年間4点作品を制作していて、ちょうどその1点目「人工物と自然物」という課題の作品が完成したところだったので、そいつを出してみようと。

作品的には「動物の死でなりたつかわいい形のハンバーグ」と「プラスチックやフェイクファーのみ、動物を殺さずに作ったペットの死体のフェイク」これを天秤に乗せ、どちらがどう見える?という作品でした。

↓くまちゃんハンバーグ

↓フェイクファーの犬

今考えるとすごい審査員だった。
村上隆さんと三潴末雄さんがゲスト審査員。
社会のことを真面目に考えていると、評してもらった記憶があります。

くまちゃんハンバーグなんて自分では言っていたんだけど、撮影の時にひき肉もっていって、収録直前に現場でバーナー焼いて、収録中に食べるなんてことも仕込んでた。わりと楽しんでいました。

それで、幸運に恵まれて優勝してロンドンの五つ星ホテルのMandarin Oriental Hyde Park, Londonの宿泊と、ロンドンの往復航空券もらって、ロンドン旅行にいってきた。特番なので、一週で勝ち抜け、しかも豪華賞品とラッキーだった。

ロンドンではロイヤルアカデミーオブアートでやってたAPOCALYPSE: Beauty and Horror in Contemporary Art展が印象深かった。

↓展覧会のカタログ 出品作家がやばい。

もらったのが宿泊と航空のみなもんで、食費とかは出てないから、すっごくいいホテル泊まっているのに、食べてるのは地下鉄の駅で売ってるサンドイッチとかでした。チップ置いていってもメイドさんがもらってくれなかったりしましたね。ホテルが五つ星なのに貧乏学生旅行というアンバランスで不思議な体験ができました。

見た目と意味のギャップ、ふざけの要素、かわいくないかわいさなど、現在の作品の要素がこの作品にも入っていたんだなと感じます。

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