震災の発生から2週間強。

全てのことが悪い夢だったらいいのにと未だに願う弱い自分がいます。生まれ育った故郷(国)のこんなに無残な光景は出来ることなら見たくはなかった。ただただ悲しくて悲しくて仕方がありません。

もちろん、復興に向けて前を向かなければなりません。救助を待っておられる方、避難所暮らしの方、被災地の最前線で活動を行っている方にとっては今この時、一瞬一瞬が闘いなのです。ただ、現地に赴く事が出来るわけではない私自身はまだまだ気持ちを切り替えることが出来ません。

「自粛ばかりしていては経済が停滞していつまでも復興できない。」というご意見もあります。確かにそこには一理がある。でも本当の復興って何なのでしょう?震災前と同じ世界に戻る事が復興なのでしょうか。政治家でも学者でもない私にはうまい言葉で表現することはできませんが、現在の人間の社会は既にあらゆる面で限界まできていたと思います。未曾有の震災で何万人もの尊い命を失う前に我々ひとりひとりが今の生き方を変えなければならなかったのでしょう。もう元には戻れないし、戻ってはいけないのです。

喪に服す時期があってもいいのではないでしょうか。いま幸運にもまだ生きている私達ひとりひとりがこの先どう生きるべきか、どのような新しい社会をつくるべきか、亡くなった方々を弔いながら静かに考えるべき時なのだと感じます。

それと同時に、ほんの少しでもでもいいから世の中のお役にたてることをしていかなければなりません。大阪の淀川テクニックが頑張ってくれています。

★東日本大震災義援金プロジェクト「淀川化学反応」
4月2日(土)15:00-19:00

私も大阪へ駆けつける予定でスケジュール調整中です。東日本は壊滅的でも西日本がある、日本が細長い国土で良かった!とひしひしと感じる今日この頃です。大阪周辺の方々、どうぞご参加くださいませ。

それからインディペンデントキュレーターの窪田研二さんが発起人となりJapan Art Donationが設立されました。同団体では寄せられた義援金を被災地域の文化施設の復興、被災地区へのアーティストの派遣、被災した子供たちを対象にしたワークショップの開催、被災地区での演劇、ダンス、パフォーマンス等の開催費用に使用します。ユカリアート(ディレクターの私)からも応援メッセージを送らせて頂き、全力で支援するつもりです。どうか皆様もご協力をお願いします。

ギャラリーのオフィス業務は節電モードで再開しております。スペース2(狭い方の展示スペース)の奥にある事務所をより太陽光の入るスペース1に移動し1室だけで稼働中です。延期した南条嘉毅「際景」〜伊勢詣2〜の新しい会期は決まり次第お知らせ致します。

最後になりましたが、震災の発生直後より国内外の多くの方々からお見舞いのメッセージを頂戴致しました。皆様方のおやさしい言葉の数々に胸が熱くなりました。この場を借りて心より御礼申し上げます。どうか皆様に再び笑顔でお会いできる日が1日でも早く訪れますように。

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