ART KYOTOで久々の新作を発表した田代裕基。今回はその新作を作家による解説と共にご紹介致します!
田代は7月6日~8日まで開催されるART OSAKAにも出品致します。
どうぞお楽しみに!
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作家からのメッセージ:
今回、この「メビウス」という作品を作るきっかけは、僕の身近な人の死と、3.11での多くの人の死、そしてあの強烈な映像を見た事が強く影響しています。その二つの事実から人の死とは何だろうか?という事について以前よりも深く考えるようになり、そして必然的に人が生きるとは何だろうか?という事も深く考えました。
そして、「生」があるから「死」を感じ、「死」があるから「生」を感じる。この二つの事実は対立するものではなく人の一生の中で同時に存在するものなんだと思いました。この二つの事実と、表裏一体のメビウスの輪という構造体がつながり、この感覚を彫刻として伝える事ができないだろうかという思いから「メビウス」というタイトルをつけました。死を目の前にした時に起こる悲しみの感情。それは死を象徴する骸骨の両目から涙となって流れています。
その涙は様々な想いを含み大波となって大地へと流れていき、やがてその涙は大地を潤し、そこから生命を象徴する花が生まれる。
全てのものは変化する。時にそれは自分の意思とは関係無くやってくる。それは時に無情であったりもする、だけどそれはもしかしたら僕らが住むこの地球からのメッセージなのかもしれない。
何が真実で何が嘘なのかすらも見えなくなってしまう程に人間の世界は混沌としていて、その中で自分はどうあればいいのだろうかと日々考える。変わる事、変わらない事、そのどちらも勇気がいる事だと思います。
僕は造りながら、描きながら、心の声に耳を澄まして、今ある想いや考えや感覚をカタチにしながら生きていこうと思います。
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