関東平野の本当に真っ平らな町に住んでいた頃、

窓から一面、凸凹たくさんの四角や三角の建物が見えた。

その隙間から、

空気遠近法的には遠いはずなのに、スケールのおかしい何かが、

ひょっこり現れたかと思うや否や、日に日に大きくなっていった。

 

毎日見てると情が湧く。

 

近くを通っても、視界を遮るものが多過ぎて、巨大なのに案外出会えない。

東京はくすぐる。

無意識にいつも探していたと思う。

普段乗らない路線の車窓、カーブに差し掛かったその時に、

見事な立ち姿。

持っていたノートにペンを走らせた。

2010年11月、いよいよゲイン塔がにょっきり顔を出し、

でもまだまだ伸びるといった頃。あれから随分時間がたって、

今は、800km離れた町に住んでいる。

大きな地震があったけれど、

東京スカイツリーは無事に完成。

災いに自由が遮られるのは、悲しいけれど、

私達は、遠くを見ることができる。

 

 

「 建ツ樹ヲ観テヰタ 」

綿糸、アクリル絵具、キャンバス、他
33.3 x 24.2cm,   2019

 

 

 

 

 

 

 

 

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