片山大輔 個展「ひとごとガレット」&
高あみ 個展「ひとになる」
若手作家2人による2つの個展
2009年6月20日(土)〜7月18日(土)

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左:片山大輔「むかしの家」2007 キャンソンボードにアクリル 72.8×51.5cm
右:高あみ「おめん」2009 陶、透明水彩、アクリル絵具 H14.0xW10.0xD9.0cm
©Daisuke Katayama and Ami Ko


YUKARI ART CONTEMPORARYでは2009年6月20日~7月18日まで、若手作家 片山大輔(かたやまだいすけ)の初個展「ひとごとガレット」と高あみ(こうあみ)による個展「ひとになる」を同時開催いたします。

片山大輔は東京造形大学彫刻学科在学中から、現実と物語の間にあるような奇妙な世界観をFPRなどによる立体作品やアクリル絵具で描いた平面作品として表現してきました。幼少の頃から一人遊びが得意で絵本が好きだったという片山は「思えば子どもの頃からもう一つの世界を自分の中に築く『空想癖』があった」と回想します。大人となった今でもその奇妙な第2世界は自身が感動したことや悲しかったこと、うれしかったこと、出会った人たちのことを全部混ぜ合い何度も再構成を繰り返しながら生き続けています。彼の創作活動は、家の裏に段ボールや新聞紙で設立した秘密の研究所や、薬で製造した兵器、庭に堀った落とし穴や自作のゴルフコース、母親に枕元で読んでもらった数多くの絵本の延長線上にあるのかもしれません。今展では平面作品と立体作品で片山の作品世界をご紹介します。

高あみはこれまで主に石膏や陶を使った彫刻、インスタレーション作品を制作してきました。常に物語が背景にあるような人々、日常の気配のある作品をつくるのを得意とする高ですが、その一方で日本に生まれ韓国籍をもつ自身のルーツや家族を題材にしたコンセプチュアルな作品も発表してきました。今展では、ある時突然作りたくなったという「人の顔」を題材に、わたしたち人間の顔が持つ不思議な魅力を、美しい表情や歪んだ表情などさまざまな表情を持つ陶の「お面」として表現します。「どの表情も自分自身であり、同時にあなた自身でもあります。私たちは何度も何度もあなたになって、何度も何度も私になるのです。」と高が言うように今展は「わたしとあなた」の顔に改めて出会う機会となることでしょう。

タイプの違うふたりの作家の個展を同時にご覧いただくことで個々の作家が意図した以上の何か、共通する意識、時代背景などを読み取っていただけたら幸いです。

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